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知られざる業界の第一人者、ナンバーワンシェアを持つ企業をさまざまな業界からご紹介。アライアンスの可能性提案などもクローズアップ

株式会社荻野屋
鉄道や高速道路の新設・廃止など、販売環境の激変にも柔軟に対応し堅実に事業を展開。看板商品である駅弁の雄「峠の釜めし」の販売累計は何と1億5000万個
■事業の特徴・優位性

一方で早くからロードサイドの可能性に着目し、昭和37年から国道沿いのドライブインの開設、高速道路のサービスエリアへの進出など、駅弁に依存しない経営スタイルを実現。新幹線が開通し、駅の利用者が激減しても業績を堅持しつづける。2012年4月に志和氏が新社長に就任。美味しさと安全を第一義に置きつつも、ブランド力を活かした新商品開発や地域の観光活性にも注力している。
■おぎのやの歴史
明治18年10月15日 | 信越本線、高崎~横川間開通。横川駅にて構内営業開始。 ※駅弁販売は全国でも宇都宮に次ぐ老舗 |
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昭和32年 | 「峠の釜めし」を創案 |
昭和33年2月1日 | 「峠の釜めし」を横川駅にて発売開始 |
昭和33年10月18日 | 天皇陛下、富山国体へ行幸の折、横川駅にて峠の釜めし積み込みの栄に浴する。 |
昭和36年 | 横浜高島屋駅弁大会に「峠の釜めし」出品 |
昭和37年4月20日 | 国道18号線沿い横川駅南側に「峠の釜めしドライブイン」を開店 |
昭和42年6月 | みねじ社長をモデルにしたテレビドラマ「釜めし夫婦」(フジテレビ)放映開始 |
平成5年3月27日 | 上信越自動車道(上り線)横川サービスエリア店開店 |
平成7年7月15日 | 峠の釜めし製造工場(セントラルキッチン)をオープン |
平成8年12月1日 | 累計販売個数1億個達成 |
平成9年10月1日 | 長野行き新幹線開通。高崎・軽井沢間にて「峠の釜めし」車内販売開始 ※JR信越本線 横川・軽井沢間廃止にともない、横川駅が発着駅に |
平成16年11月 | 米カリフォルニア州で行なわれた「全国有名駅弁大会」に参加 ※海外で初めて「峠の釜めし」を製造販売。4日間で2千食を完売 |
平成21年 10月1日 | 累計販売個数1億5千万個突破 |
年表からわかるように、昭和33年に「峠の釜めし」を横川駅にて発売開始した4年後、国道沿いにドライブイン店舗をオープンさせたのが特筆的。その後も、上信越自動車道の開通に合わせてサービスエリア内に出店したり、モータリゼーションや人の流れの変化を読み、先手を打って対応してきたこと、さらには駅弁大会での販売など、鉄道駅だけに依存しない仕組みを作ってきたのが強みとなっている。
その後、長野新幹線の開通により、横川駅と隣の軽井沢駅間が廃止され、横川駅は袋小路の終着駅に。特急の運行はなくなり、列車の発着も駅の利用客も激減したものの、従来と変わらず、堅実に業績を維持している。
※さらに詳しい情報はこちらから
■峠の釜めしの生い立ち
○「峠の釜めし」の創案

いっぽう、当時のお茶は陶器の容器に入れて販売されており、その容器製造を手掛ける益子焼の事業者と新たな可能性を模索。それまでになかった「益子焼の土釜に入った」スタイルの駅弁を考案した。それが「峠の釜めし」の大きな個性になった。(右上写真は、当時の掛け紙。価格は120円。※現在は1,000円)
○口コミとメディアの反響で瞬く間にヒット商品に
今までにない新たなスタイルの駅弁の誕生に、その存在は口コミで広がり、「文芸春秋」の誌面で紹介されたことで、さらに人気は高まっていった。その後も、天皇陛下が富山国体へ行幸の際に召し上がられたり、創案者である、みねじ社長をモデルにしたテレビドラマ「釜めし夫婦」(フジテレビ)が放映されたりすることで、峠の釜めしは全国区の知名度を誇るように。「駅弁の雄」のポジションを不動のものとする。(参考)横川駅の特殊性
旧JR信越本線の横川-軽井沢間(現在は廃止)の「碓氷峠」が非常に急勾配だったため、この路線を通過する全ての列車は横川駅で停車し補助機関車の連結(解放)作業を行う必要があった。その停車時間が長かったため、待ち時間を利用した駅弁販売が非常に賑わうことになった。
(豆知識) 鉄道模型のKATOより、「駅弁売り人形(峠の釜めし・おぎのや)」が販売されている

■峠の釜めしを構成する素材
創案された当時とほぼ同じ具材で現在も「峠の釜めし」は作られている。(創案後まもなく、錦糸卵→うずらの卵、さやえんどう→グリーンピースに変わったのが変更と言える程度)
下記写真にあるそれぞれの具は、素材にこだわるとともに、誰にも喜んでもらえる味のバランスを意識。椎茸はちょっと濃いめの関東風、筍は関西風に味付け、栗で甘さを、杏子を整腸作用とするなど、多くの人に愛されるようにきめ細やかな配慮や工夫を凝らしている。ご飯そのものも薄い醤油味のだし汁で味付けがされている。

■その他のお弁当


現社長になって以降、「峠の釜めし誕生55年」を記念して、定番商品以外にも「四季の変化を織り込んだ」プレミアムな釜めしを考案。これまでに4つのバリエーションを発売している。(数量限定、エリア限定での販売)
第4弾の、峠の釜めし「冬」は、おぎのや横川店、上信越自動車道横川SA(上り)のみ、2013年12月21日~2014年2月23日の間の、土日祝日限定で販売されている。
○玄米弁当 (500円)・・・小豆やハト麦と一緒に炊いた玄米に、手作りのがんもどきやひじきの煮物、金平ゴボウなどが入った自然食弁当(下写真左)
○鳥もも弁当 (700円)・・・鳥ももがまるごと1本入ったボリュームある弁当(下写真右)
※その他、幕の内弁当、旅の鳥、おすしなど


※お弁当一覧はこちらから
■店舗網
「峠の釜めし」など弁当の販売はもちろん、当地ならではの郷土料理や定食、麺類などを提供している

横川店 群馬県安中市松井田町横川297-1
(右写真参照。最大600名収容)
諏訪店 長野県諏訪市沖田町4-39
佐久店 長野県佐久市岩村田北1丁目22-1
長野店 長野県長野市篠ノ井西寺尾赤川2328-2
横川サービスエリア店(上り線)
※その他、小規模物販店一覧は、こちらから
■地域観光との連携

今後、廃止された横川-軽井沢間が、トロッコ列車として復活する構想があり、また「碓氷峠」という歴史的にも価値の高い名所を持っていることから、地域振興の機運は高まっており、そこで同社は全国区の知名度を持つ老舗企業としてならではの取組みを展開していくことになりそうだ。
■生産体制

○セントラルキッチン
峠の釜めし 1時間:約3,600個、1日:約37,000個
幕の内弁当 1時間:約1,000個、1日:約7,000個
○諏訪生産工場
峠の釜めし 1時間:約1,600個、1日:約15,000個
幕の内弁当 1時間:約800個、1日:約7,000個
■会社概要
商号 | 株式会社荻野屋 |
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所在地 | 〒379-0301 群馬県安中市松井田町横川399 |
TEL/FAX | TEL:027-395-2311 FAX:027-395-3035 |
代表者 | 代表取締役社長 髙見澤 志和 |
資本金 | 1,000 万円 |
設立 | 1885(明治18)年10月15日 |
社員数 | 580名(パート、アルバイト含む) |
事業内容 | 各種弁当料理・麺類製造販売、駅構内営業(売店)、飲食事業(ドライブイン・レストラン)など |
Facebookページ | https://www.facebook.com/oginoya.co.jp |
ホームページ | http://www.oginoya.co.jp/ |
■社長プロフィール
髙見澤 志和 (たかみざわ ゆきかず)
1976年生まれ、群馬県出身。慶應義塾大学卒。2003年に荻野屋へ入社し、2012年4月に6代目となる代表取締役社長就任。財務体質の強化や地域観光との連携を大切に、新たな経営スタイルを創りだしている。
■表彰
2013/10/1 「2013年度グッドデザイン賞」受賞
2010/10 長野店 厚生労働大臣賞受賞
2009/10 セントラルキッチン厚生労働大臣賞受賞
■メディアリンク
・wikipedia「荻野屋」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%BB%E9%87%8E%E5%B1%8B
~ニュース~
・「大空の釜めし」使用の「おぎのや釜型紙器」が2013年度グッドデザイン賞を受賞(2013/10/1)
・FlyTeam ニュース 峠の釜めしが「大空の釜めし」に(2013/3/19)
・マイナビニュース 「峠の釜飯」のおぎのやプロデュース – 旧信越本線120周年記念弁当が登場 (2008/9/25)
・zakzak ホームで客を見送る「おもてなし」の心 峠の釜めし発売55年(2013/10/22)
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